劇場アニメ『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』を観てきた

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テレビシリーズのアイドルマスター(以下アニマス)の映画版としてはとても良い映画でした。

アニマスの補強とアイマスワールドの拡張

テレビシリーズ同様、「天海春香のヌルさを事務所のメンバーが許容し、天海春香はそのヌルさを貫き通す」という話でした。

少し大きめの舞台をアニメとほとんど同じ文法で描くという点では映画けいおん!に近く、「無理を通せば道理が引っ込む」を地で行く感じは天元突破グレンラガンっぽくもありました。

ミリオンライブのキャラクターがあまりにも違和感なく溶け込んでいたのでちょっと 876 プロの 3 人が不憫になったりもしましたが、ジュピターにもきちんと出番があったりして、アニマスらしい映画になっていたと思います。

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"成長物語としてのアイマス"の限界

一方で、アニマスは成長物語でした。

一般的に成長物語の続編を作るにはパワーインフレを起こすか、世代交代をさせるか、パラレルワールドにするか、京アニが作りなおすかくらいしか手段がないわけで、本作では世代交代(の途中)を描いています。矢吹可奈という新人アイドルを、先輩アイドルになった天海春香が導く形で物語は進行します。

しかし、果たしてこれがアイマスに求めていたものなのか、つまり続編を作るには 765 プロのアイドルたちは成長しすぎてしまったのではないかと感じました。

確かにアイドルの寿命は短い。けれど、だからこそ、アイマスにはいつまでも輝いていてほしいんです。輝きの向こう側にあるものが、普通にお母さんをやっている天海春香とか、喫茶店経営に失敗して借金まみれになっている高槻やよいとか、場末のバーで日銭を稼ぐ水瀬伊織ではあまりにも悲しいじゃないですか。そういうのはウェイなガールズに任せておけばいいんですよ。

ミリオンライブを含めたアイマスワールド全体という視点から見ればよいお話だったと思いますが、765 プロの 14 人の物語としては少し寂しいというか、そこまでやらなくていいんじゃないかなあ…というのが本音です。

エンドロールまで観よう

映画館を出て、「なんで俺はミリオンライブやってないんだろう…」と思ったりもしましたが、シンデレラガールズファンへの嬉しい配慮もあったのでエンドロールまでちゃんと席に付いていましょう。次はモバマスのターンですよ!