調子が悪くなるたび殴ったり蹴ったりして騙し騙し使ってきたエアコンがいよいよ壊れてしまったので買い替えました。
で、新しいエアコンで涼みながら新機種のマニュアルと旧機種のマニュアルを見比べていたら、なんだか新機種の性能が全体的に劣っているような気がしてきて、気になったら夜も眠れなくなってしまった(不眠症)ので少し調べてみました。
新旧エアコン紹介
まずは新旧エアコンのご紹介です。
旧機種
今回壊れたエアコンは三菱電機のMSZ-GXV22Pというモデルで、2004年に買ったものです。だいたい20年くらい使いました。えらい。これで毎年掃除してたら20年もちました👇
3年くらい前からずっと調子が悪くて、一度修理をして直ったように見えたのですが、この度いよいよ電源すら入らなくなり、これ以上の延命は逆に損と考え買い替えることにしました。
静かでよく冷え、リモコンも使いやすく、なにより掃除もしやすく、良い機種だったと思います。
新機種
新しく買ったエアコンは三菱電機のMSZ-GE2223というモデルで、廉価帯の製品ですが2023年の令和最新式です。ヨドバシでコミコミ87,000円くらいでした。たっか。
今まで使っていた三菱のエアコンが良かったので今回も三菱にしました。この価格帯のエアコンはどれも似たような感じで各社ほとんど差はないんですけど、掃除のしやすさは三菱が抜けていると思います。
新旧スペック比較
それでスペックがどうなっているかというと、マニュアルから基本性能と冷房の部分を抜き出してきました。
MSZ-GXV22P (2004年モデル) |
MSZ-GE2223 (2023年モデル) |
|
---|---|---|
電源 | 単相100V | 単相100V |
能力(kW) | 2.2 | 2.2 |
消費電力(W) | 430 | 655 |
運転電流(A) | 4.75 | 7.27 |
運転音:室内機(dB) | 44 | 62 |
運転音:室外機(dB) | 44 | 59 |
適用面積:鉄筋アパート(m2) | 15 | 15 |
適用面積:木造和室(m2) | 10 | 10 |
どちらも6畳用で基本的な性能は同じなんですけど、消費電力は430Wから655Wへと増え、運転音も室内機で44dBから62dBへと増えています。
新機種は廉価モデルのため、メーカーがあえてクソスペックにしている可能性も考え上位機種のマニュアルも見てみましたが、すべての機種で旧機種より劣化していました。
消費電力
まずは消費電力について。
MSZ-GXV22P (2004年モデル) |
MSZ-GE2223 (2023年モデル) |
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---|---|---|
消費電力(W) | 430 | 655 |
運転電流(A) | 4.75 | 7.27 |
考えてもわからないので三菱電機のお客様相談センターに電話しました。
曰く、マニュアルに書かれている消費電力とは定格消費電力を指し、電流含めフルパワー運転に必要な電力量は確かに増えているとの回答でした。が、ここに書かれている数字とは別に期間消費電力量という指標があり、それで比較すると20年前の機種より現行機種のほうが省エネになっているとのこと。謎の指標が出てきました。
期間消費電力量については以下が詳しいです。
ようは、ひとによって環境も使い方も異なるものの消費電力を一律に算出することは不可能なので、ある一定の基準を設けて、その基準で動かしたときの消費電力を算出したものが期間消費電力量ということみたいです。
期間消費電力量についてはマニュアルに記載がないのですが、聞いたら教えてくれました。それぞれ以下のようになっているそうです。
MSZ-GXV22P (2004年モデル) |
MSZ-GE2223 (2023年モデル) |
|
---|---|---|
期間消費電力量(kWh) | 951 | 717 |
なるほど、確かにこの指標で比べると25%くらい消費電力が減っています。
お客様相談センターの話では、新機種は赤外線センサーで床の温度を見て自動で温度調節をしたり、冷房と送風を勝手に切り替えたりするので節電になってるんですとのことでした。
ということは、それらの機能を使わなかったら以前より消費電力が増える……ってコト?と聞いたのですが、なんかモゴモゴ言うだけではっきりとした回答はもらえませんでした。また、そもそも定格消費電力が増えた理由も教えてもらえませんでした。旧機種の定格消費電力のまま新機種の省エネ機能を付けるわけにはいかなかったんですかね?
あと、この期間消費電力量を算出するための基準に35℃以上の日が存在していないのも気になります。
基準はないよりあったほうが絶対に良いとは思いますが、なんだか都合の良い条件で指標がつくられている感もあり、はぐらかされているような、モヤっとした気持ちが残りました。
なんとなく、冷媒が変わって低下した冷却能力を電気をいっぱい使うことでどうにかしていて、その電力使用量をあの手この手の省エネ機能で抑え込んでいるという感じなのかなーと想像しましたが100%想像です。
運転音
次に運転音について。
MSZ-GXV22P (2004年モデル) |
MSZ-GE2223 (2023年モデル) |
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---|---|---|
運転音:室内機(dB) | 44 | 62 |
運転音:室外機(dB) | 44 | 59 |
お客様相談センター曰く、騒音基準が変更され、より厳しい基準で数値を算出するようになったため数字は増えているが、実際は旧機種より静かであるとのことでした。
騒音基準の変更についてはパナソニックのサイトに詳しく書かれていました。パナソニックは家電の細かい話をいちいちインターネットで公開してくれているので、僕みたいなスペック厨にはとてもありがたいです。
上記サイトによると、
2013年4月22日より、JIS C 9612ルームエアコンディショナが改正され、運転音の測定は「音圧レベル(騒音レベル)」から「音響パワーレベル」に変更されました。2013年以前に発売された製品のカタログや取扱説明書などに記載している運転音の値と比べると、現行品の運転音dBの値が大きくなっていますが、製品の音が大きくなったわけではありません。
とのこと。
音圧レベルと音響パワーレベルのちがいは調べても計算式ばかり出てきてよくわからないのですが、僕の理解としては、音圧レベルとは人間の耳で感知する音の大きさ(=距離などで減衰する)で、音響パワーレベルとは音の大きさそのもの(=距離などで減衰しない)ということみたいです。どちらも同じdBという単位で表現するので混同しますが、まったくの別物と考えたほうがよさそうですね。
体感として、新機種の運転音は「ややうるさめ」って感じです。フルパワー運転時の音は確実に旧機種よりうるさいです。安定運転時の音は同じくらいかな。
まとめ
- 消費電力は基準がガバでよくわからん
- 騒音は基準が変わっているので比較できない
- 新品のエアコンは気持ちが良い
以上です。